子育て~『やさしさの贈り物』より


完璧な人は、どこにもいません

『やさしさの贈り物』5月8日には、「完璧な親である必要はありません。大切なのは、子どもと誠実に向かいあうこと。「いろいろ失敗はするけれど、お母さん、お父さんはわたしを誰よりも大切に思っていてくれる」と感じれば、子どもは必ずゆるしてくれます。」と書かれています。

『やさしさの贈り物』では、人は完璧ではないという言葉がたびたびでてきます。『やさしさの贈り物』10月22日では、「常に完璧を求める人は、自分を追いつめ、周りの人たちを責めて、居場所を失ってしまいます。「すべて完璧にできる人などいない」という事実を受け入れ、自分とも、周りの人たちともうまくやってゆける「いい加減」を見つけましょう。」と書かれています。どんな親も、完璧な子育てはできないと思います。片柳弘史神父の2017年7月15日のTwitterで、「子どもを導き、育ててくださるのは神様。私たちの使命は、神様の子育てに協力することです。」と言っています。完璧ではないけれど、神様が助けてくださる、という意味だと思います。神様への信頼こそ、幸いな子育ての秘訣ではないでしょうか。

 

Nobody's Perfectプログラムから転載します。

『はじめから一人前の親などいません。 皆、まわりから助けを得ながら親になっていくのです。 人間はみんな欠点を持っています。完璧な人間などどこもいません。 完璧な親や完璧な子どもなど、存在しないのです。 ですから大事なのは、可能な限りベストをつくすことです。 そして必要なときには、周りから助けを借りることです。』

 


愛するとは

しかし、そもそも、愛するとは、どういうことなのでしょうか?『やさしさの贈り物』の5月9日には、『「わたしがこんなにあなたのことを思っているのだから、あなたもわたしの期待通りに行動すべきだ」というのは、愛ではなくエゴイズム。「わたしの期待通りでなくても、あなたが幸せになれるならそれでいい」というのが本当の愛です。』と書かれています。相手が自分の期待どおりにならなくても、あなたらしくあれば満足だ、という信頼が愛に近いのではないでしょうか。子供にしがみついて、「この子は私がついてないと、だめになる」と疑うのではなく、「神さまがどんな時もついているから、この子なら、大丈夫」と信頼してよいのではないでしょうか。

 『やさしさの贈り物』の6月8日には、『愛するとは、相手のすべてを、あるがままに受け入れるということ。初めから相手のすべてを知り尽くすことはできないので、私たちは一生かけて少しずつ相手を知り、愛を育ててゆくことになります。愛するとは、愛を育ててゆくという決意なのです。』と書かれています。初めから、なにもかもできる人はいないでしょう。教育者がどんなにがんばっても、愛は偏ってしまいます。そのときは、誰もが初心者だと思えばよいと、私は思います。

 片柳神父の2020年9月18日のTwitterでも『仕事、子育て、友人とのつき合いなど、生きてゆくのに必要なことはたくさんありますが、すべてうまくできる人はほとんどいません。悩み事はあって当たり前。うまくいっているように見える人には、自分と違う悩みがあると考えたらいいでしょう。https://t.co/nfH1GttTAZ』とツイートしています。すべてうまくできる人はいなく、だからこそ助け合えばよいと思います。何かできないからといって、親の価値が変わることはありません。人は何かできるから価値があるのではなく、生きているだけで価値があるからです。

 親自身がまず、自分のいのちを喜んでよいと思います。神様に愛されている自分をそのままうけいれ、できないことではなく、できることに目をむけていけば、よいのではないでしょうか。そして、片柳神父が言っていますが、『愛されるために頑張る子どもでなく、愛されているから頑張る子ども』を育ててゆくのが、親の使命ではないでしょうか。

 


一人ではありません

また、子育ては、一人きりでする必要はないのではないでしょうか。『やさしさの贈り物』6月9日には、『「そんなことくらい一人でもできる」というのは本当かもしれません。ですが、手伝ってもらえば、もっとよくできるかもしれません。自分の限界を知っている人、素直に手伝ってもらえる人が、結果として一番大きな実りをもたらすのです。』と書かれています。子育ても同じだと思います。教会の仲間や、子育て支援センターの仲間たち、保育士さん、夫婦や両親、地域のみんながついています。素直に手伝ってもらえばよいと思います。完璧に一人きりで子育てするには、限界があります。しかし、神様には限界はありません。片柳神父はTwitterで『神さまは、試練を与えるとき、必ずそれを乗り越えるための力も与えてくださいます。心配する必要はありません。https://t.co/5CFILDTm4K』と言っています。時には不安で、心配でおしつぶされそうな時は、神様に祈るチャンスのときです。「神様に助けてください」と祈るとき、そこから神様の出番です。神様は必ず助けてくださいます。安心して、神様に委ねることができますように。