渡辺和子シスターの言葉


『面倒だから、しよう』(幻冬舎)より

何ができても、できなくてもいい。

どんな人でも、

生きているだけで価値がある。


つまずくのはあたりまえ。

つまづいたおかげで

気付くものがある。


幸せは、いつも

自分の心が決める。


自分を愛せない人は人を愛せない。

ありのままの自分を受け入れた時、

心の中に優しさと強さを持つことができる。


何より大事なのは、自分の体と心が疲れていないということです。・・・だから朝きちっと食事をし、夜は休んで、体と心を健康にして毎日を過ごしましょう。


神は、試練に耐える力と、

逃れる道を備えてくださる。


若い時にできたことが、

年老いてできなくなることもある。

それでも、今、できることに感謝する。


壁にぶつかることで、人は、

今まで持っていた自分の価値観と

異なる価値観があることに

目覚め、自分を振り返り、

自分の生き方、主義主張を見直す

よい機会ともなります。


私は私、人は人という「独自性」。私はこの世の中にたった一人の、名前を持った、かけがえのない、世界にただ1つの花なのだから、ほかの人の真似をしなくてもいい。・・・。あなたはあなたのままでいいのです。ほかの人になる必要はありません。


『置かれた場所で咲きなさい』より

どうしても咲けない時もあります。雨風が強い時、日照り続きで咲けない日、そんな時には無理に咲かなくてもいい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために。


働くことはすばらしい。

しかし、仕事の奴隷に

なってはいけない。


人間は不完全で弱い者ですから、

すべてを自分一人でやり遂げることは

不可能で、他人に委ねる部分、頼んで

してもらうこと、分担することが必要です。


苦しいからこそ、

もうちょっと生きてみる。


旧約聖書のイザヤ書の中に、

神が人間一人ひとりを、「私の目に尊い」

といっているからです。・・・。

人間の価値は、何ができるか、

できないかだけにあるのではなく、

一人のかけがえのない「存在」として、

「ご大切」なのであり、「宝石」なの

だということ。それが体感でき、

魂に響く教育こそが、カトリック教育

なのだということに気づいたのです。


あなたが大切だと

誰かにいってもらえる

だけで、生きてゆける。


思わぬ不幸な出来事や失敗から、

本当に大切なことに

気付くことがある。


聖書を読むようになった私は、

「天の下の出来事には、すべて

定められた時がある」という

コヘレトの書の中に、

「神のなさることは、すべて

時期にかなって美しい」という

真理を知るようになりました。


ありのまま受け入れた時、

相手の秘めた可能性が開花する。


ふがいない自分としっかり向き合い、

そして仲よく生きていくことです。

・・・24時間ずっと一緒にいるのは

自分だけ。その自分を嫌うことなく

大切にしてあげなくてはいけない。


老いるということにおいて、一番大切な

仕事は、このように、ふがいなくなった

自分を受け入れて、いつくしむという

ことだと気付きました。・・・。

してあげていた自分が、してもらう自分に

なる。謙虚さが必要になりました。


人間は不完全なものです。それなのに100パーセント信頼するから、許せなくなる。・・・。「あなたは私を信頼してくれているけれども、私は神さまじゃないから間違う余地があることを忘れないでね」ということと、「私もあなたをほかの人よりもずっと信頼するけど、あなたは神さまじゃないと私は知っているから、間違ってもいいのよ」ということ・・・。そういう「ゆとり」が、その2%にあるような気がします。



『あなたはそのままで愛されている』(PHP)より

渡辺和子著『あなたはそのままで愛されている』(PHP刊)より


学生たちに伝えたかったのは、

一人ひとりは、そのままで、

すでに神に愛されている「宝石」だと

いうこと。


この世に無駄なものは

一つもないのです。

無駄にしては

もったいないのです。


よろこびは、

単に与えられて私たちの

人生に存在し始めるものではありません。

すでに存在する素材を見つめ直すことによって、

または違った角度と視点から見ることに

よって創り出されるものなのです。


実際の自分は疲れているのに、

それを他人に見せまいと強がったり、

たしかに自分が失敗したのに、

それを認めようとせず、

他人のせいにしたり、

いろいろな言い訳をして、

自分を無傷に見せようとすることがあります。

・・・どのような自分も認めて、

自分と素直に出会う時、人は自由になります。


スピードはたしかに良いことです。

・・・。

しかし昨今、あまりにもインスタント文化が

発達したせいか、私たちは「時間を

かけること」「時間のかかること」が

まるで罪悪であるかのように

思い始めていないでしょうか。


『幸せはあなたの心が決める』(PHP)より

渡辺和子著『幸せはあなたの心が決める』(PHP刊)より


人に完全なものを

求めてはいけない。


人生が思うままにならないということは、

考えようによっては

ありがたいことなのです、


私たちの心には、

自分でも見つめたくない、

ましてや他人には絶対に見られたり、

知られたりしたくない

「みにくいもの」があります。

しかし、いくら隠したところで、

それがあることに変わりはありません。

・・・。

「きれいな自分」を保つために

ついやされるエネルギーは、

莫大なものです。


人は、「自分」のかけがえない

価値にめざめて、

生き生きと自分の生活を

している時にのみ美しいからです。

そして、人間は誰しも、美しく、

その人本来の姿で生きる権利と

義務を持っているのです。


いつも心の底には、

他人の毀誉褒貶(きよほうへん)に

かかわりなく存在する

「自分」を温かく、しかも

冷静に見つめる姿勢がなければ

なりません。

そして、自分だけが咲かせられる花を

一番美しく咲かせていこう、という

決意と努力がたいせつです。

※毀誉褒貶とは、ほめたりけなしたりする

世間の評判のことです。


『どんな時でも人は笑顔になれる』(PHP刊)より

渡辺和子著『どんな時でも人は笑顔になれる』(PHP刊)より


人生は思うままになると思ったら

大まちがい。

思うままにならないのが

当たり前。


つまずくことも、

転ぶことも、

・・・それ自体うれしいことではないし、

自ら望むべきことではありません。

しかしながら、

どうしようもなく、それらが来る時、

そういうマイナス要素からさえ、

プラスの要素を掴みとることが

人間にはできるのです。


スピード至上、インスタント万能の世に、

待つことのたいせつさ、無駄な時間の

価値を説くこと自体、時代遅れ、

見当ちがいと言われるかもしれません。

しかしながら、待たないですむ

人生などありはしないのです。


何ができようとできまいと、

病があろうとなかろうと、その

家庭が富んでいようとなかろうと、

手の掛かる子であろうとなかろうと、

とにかく「あなたはあなたでいいのよ」と、

愛された、たいせつにしてもらった

という気持ちを育みたいのです。


神が置いてくださったところで

咲きなさい。

仕方がないと諦めてでなく

「咲く」のです。

「咲く」ということは、

自分が笑顔で幸せに生き

周囲の人々も幸せにする

ということです。


花の使命は咲くことにあります。・・・。

自分しか咲かせられない花を

一番美しく咲かせることにあります。


渡辺和子著『愛と祈りで子どもは育つ』(PHP刊)

◼️渡辺和子著『愛と祈りで子どもは育つ』(PHP刊)より


そんな私も、無条件に、ありのままの私を愛してくださった一人の方との出会いのおかげで、他人と違った自分でいいのだという「安定性」を身につけることができたのです。 他の人がみんな輝いて見える時でも、そうはなれない自分を嫌わず、いじめないで、私は私らしく咲いていればいいんだと思うこと、他人と比べないことが「安定性」を育むためにとても大事なことなのです。 

バラのように、花屋の店先で高い値段で売られることを羨ましがる必要はありません。 確かにタンポポはバラになれませんが、バラもタンポポにはなれないのだという真理をしっかりと心に留めておきましょう。これが「醒めた目と温かい心」を持って生きるということなのです。 人間にとって大切なのは、自分しか咲かせることのできない花を、置かれたところで咲かせることだと思います。 


自分をありのままに受け入れてもらった時、

人は自分が生きていく意味を見出すことができ、生きる勇気を与えられます。

・・・。

大事なことは、ひたすらに自分として育っていく”ということなの です。

私たちは、子どもたちがひたすらに自分として育っていくようにと 願っているでしょうか。親の期待に添う子どもになることのみを願ってはいないでしょうか。・・・

自分の花を咲かせることが一番大事なのです。

渡辺和子著『愛と祈りで子どもは育つ』


子どもをあるがままに受け入れ、愛すると同時に、子どもに独自の 世界を許し、自分とは別の人格であるがゆえに生じる距離を、信頼で埋めていくのが親の成熟した愛なのです。


いじめないで、私は私らしく咲いていればいいんだと思うこと、他人 はぐく と比べないことが「安定性」を育むためにとても大事なことなのです。


自分の花を咲かせることが

一番大事なのです。


渡辺和子著『愛をつかむ』(PHP )より

◼️渡辺和子著『愛をつかむ』(PHP )より

自分を愛するということは、かくて、主なる神を愛することと矛盾するどころか、むしろ、不可分の関係にあるのです。創られたものが、「自分はつまらない、惨めなものでしかない」と卑下することは、決して、創造者への賛美にはなりません。そうではなくて、自分のありのままの姿を認め、自分の至らなさ、惨めさを認めながら、それを「たいせつ」なものと愛してくださる神に応えて、価値ある人生にしてゆくことがみ心に叶う生き方なのです。 自分を愛するということは利己主義ではなく、むしろその反対です。なぜなら、利己主義というのは、自分がいつも光り輝き、他人より良い立場に無いと自分が愛せない人が取る行動だからです。その反対に、どんな自分でも、つまり、どこといって取柄のない、それどころか、時に愛想の尽きるような自分でも、いとおしむことのできる人こそ、真に自分を愛している人であり、それを可能にするのは、そんな自分もすでに愛されている、つまり、「デウスのごたいせつ」であることへの確信です。信じるということ、信仰というのは、結局そういうことだと思うのです。

渡辺和子著『愛をつかむ』(PHP)より


生きる自信を失っている人がいっぱいいます。利用価値の世の中で認められない人たち、激しい競争社会からの落ちこぼれ、自動化、機械化の波を受けて「不要」となった人たち、そんな人たちに、あなたたち一人ひとりは、たいせつな人なのですよと伝えてゆくことこそが、現代の福音ではないでしょうか。

渡辺和子著『愛をつかむ』(PHP )


「ゆとりがあると物が見えてくる」。ある長い休みの間に、私がふと日誌に書きとめた言葉であり、それは実感だった。・・・。

どんなに忙しくても、いや、むしろ、忙しいからこそ、一日の中、五分でも、十分でも静かな時間、一見「無駄な時間」をつくらねばなるまい。

渡辺和子著『愛をつかむ』(PHP )


「あなたは、あなたのままでいいんだ。誰の真似をしなくてもいいから、あなたらしく自由に生きなさい。ただし、あなたにしかできない成長を忘れてはいけない」 私らしくていいのだ、いや、むしろ、私らしくなることがたいせつなのだ。そして、それは、勝手気ままに生きることではなくて、無理はしないが、努力は惜しまず、自分の中にある本来の姿、可能性の自己実現に、たゆまず向かってゆくことなのだ、ということが、少しずつわかって来た時、私は自由になった。

渡辺和子著『愛をつかむ』(PHP )


渡辺和子『信じる愛をもっていますか』(PHP)より

スクール(学校)の語源が、ギリシャ語で「暇」であることはよく知られているところであるが、それは、人間が人間らしく成長するための自由な時間を意味している。

 渡辺和子著『信じる愛をもっていますか』(PHP)より


スピードはたしかに良いことだ。ぐずぐずしているより物事を手早く片付ければ気持もいい。人を待たせるより、待たせないことの方が良いだろう。しかし昨今、あまりにもインスタント文化が発達したせいか、私たちは「時間をかけること」「時間のかかること」がまるで罪悪であるかのように思いはじめてはいないだろうか。

渡辺和子著『信じる愛をもっていますか』(PHP)より


現代におけるキリストの福音、よき知らせとは何なのでしょう。私は、信者のきわめて少ない環境の中で仕事をさせていただいていて、それは、一人ひとりに、生きる自信と喜びを伝えることではないか、と思います。まなざしに、笑顔に、言葉に、態度に「あなたは生きていていいのですよ。生きていて下さいね」と伝えることのように思うのです。

渡辺和子著『信じる愛をもっていますか』(PHP)より


沈黙の時間をたいせつにしたいものである。それは自己を見つめる貴重な時間であり、言葉が、真に「自分の言葉」になるために欠かせない条件だからである。

渡辺和子著『信じる愛をもっていますか』(PHP)より


自分らしく生きる強さは、他人にも「その人らしく生きる」ことを許す寛容を生み、相手をやさしく包んでゆく。

渡辺和子著『信じる愛をもっていますか』(PHP)より


愛されるということはすばらしいことです。それは自分の存在価値を理論的にでなく、実存的にたしかめさせてくれます。自分はありのままでいいのだ、それで愛してもらえるのだとわかった時、「ほんもの」になる道がひらけます。

渡辺和子著『信じる愛をもっていますか』(PHP)より


その他

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